ホーム > 製品・実験レポート一覧 > 中古クリーン機器トピックス > 最新中古クリーン機器事情

最新中古クリーン機器事情

◆シーズシーでも人気の中古クリーン機器。クリーン機器はその名の通り、きれいな状態で使用されていることが多いのでリユースの可能性も高くなります。20年選手でも状態がよければ買いかも!?
ここでは移設費用や改造費用を中心に中古クリーン機器リユースの最新事情をレポートします。
【クリーンルーム】
既設工場内に設置するタイプのプレハブ式中古クリーンルームは通常、パネル、空調機、クリーン機器で構成されています。ここでは主にパネルと空調について解説します。

断熱材を充填したクリーンパネルは基本的に移設も改造も可能です。例えば、配管や配線の穴明けがあっても表面に化粧板を貼ることが出来るので修復も可能。似たようなサイズであれば、増設や変形も可能です。
ただし、プラスターボードにクロス貼りのクリーンルームでは、パネルの移設はできません。

次に空調機。空調機の能力は清浄度や排気・熱負荷などと密接な関係があるので、中古クリーンルームの仕様書をよく確認しましょう。
クリーンルームの年式が古い場合には使われている冷媒に注意しましょう。場合によっては使われているフロンが
禁止されていて、冷媒の入れ替えが必要となったり、エアコンの使用ができないことも発生します。
周波数の違いにも注意が必要です。機器によっては東日本、西日本により50、60Hzが変わるため、改造が必要な場合があります。
さらに室外機が設置できる位置にも注意が必要です。距離が違えば冷媒の調整が必要になってきます。
(蛍光灯にも周波数による改造が必要な場合があります)

リユースの場合、忘れてはならないのが撤去費用。しかも、移設を前提に撤去するのであれば、ただの撤去より手間がかかり、新設の設置費用の約2倍かかることもあります。逆に再組立を前提にしないで撤去された部材を組み合わせてクリーンルームを作るのはジグゾーパズルを組むようなものなのでこちらも大変。そう考えると、部材費用は抑えることができても移設費用はバカになりません。

結果的に清浄度仕様やサイズが大幅に変わる条件ではクリーンルームをリユースすることは難しいと言えます。
【エアシャワー】
エアシャワーは箱型で独立した機器なので、クリーン機器の中ではもっとも移設が容易です。更に機器の耐用年数が長く、20年選手でもあと5〜10年のセカンドユースに十分応えられると思います。
過去の経験では買取のエアシャワーでメインフィルターが詰まっているケースはほとんどありませんでした。理由は稼働時間がクリーンルームに比べると少ないことがあげられます。なんといっても一吹きで約20秒ですから。
【エアシャワーの改造 インターロック取り付け】
中古エアシャワーに限りませんが、インターロックなしのエアシャワーにインターロックを取り付けるにはどんな作業になるか考えて見ましょう。

作業内容としては、以下のようになります。

・ドア枠にソレノイドを取り付け
・機内配線
・シーケンサプログラム変更

ここで、事前にどんなシーケンサを積んでいるのか、どのようにしてソレノイドを取り付けるか、などを確認する必要があります。また、事後のために変更図面の作成も行った方がよいでしょう。すると、意外とややこしくてお金もかかります。
費用としては改造費用2名×1日+下見費用、部材費、変更図面作成費の合計となります。
【シートシャッターとエアシャワー】
シートシャッター付エアシャワーはまだ、新しいコンセプトの商品ですので弊社でも中古品を取り扱ったことはありません。
しかし、既設のシートシャッター(門番など)を新設エアシャワーユニット(ドアのないエアシャワー)に取り付けることでシートシャッターとエアシャワーを連動させることは可能です。

もともと、衛生上の理由でシートシャッターを導入している工場ではインターロックのため、2枚の高速シャッターを連動させているケースが見られますが、その間にエアシャワーが入るというイメージです。
【クリーンブース】
クリーンブースは簡易的なクリーンルームとして使われ、普通、空調機能はありません。(最近は空調機能のあるものも増えてきましたが、中古の出物ではほとんどありません) 最近は施工数から見れば、クリーンルームよりクリーンブースの方がかなり多いのではないかと思われます。

しかし、クリーンブースはどちらかといえば、中古リユースには向かない装置です。その理由を考えて見ましょう。

・仕様のマッチングは難しい

クリーンブースは現場にあわせて製作されることが多いので、大きさ(W×D×H)も清浄度そのブース固有の仕様もさまざまです。中古クリーンブースがあったとしても、クリーンブースを求めているユーザーの仕様とマッチするとは限りません。どれかが違うだけでも改造費用が発生したり、ランニングコストが大きくなったりする場合があります。

・工事費用の割合が高い

クリーンブースの構成は本体製作費(鋼板、SUS、アルミなど)、空気清浄装置(HEPAフィルター+ファン+ケーシング)、周壁(帯電防止ビニールカーテン、パネル材)、電材費、梱包運賃、組立・試運転費などから成っています。ケースによりますが、このうち、梱包運賃、組立・試運転費で全体のコストの約2〜3割を占めています。ところが、中古で使うためには現地での撤去・解体、移設、再組立という作業がかかります。これは先の梱包運賃、組立・試運転費とほぼイコールになります。再組立を前提にバラすには、それなりの手間がかかるからです。よって、中古クリーンブースの場合、元の価格の4〜6割は工事関係でかかってしまうということです。

・需要と供給のミスマッチ

実は売りに出されるクリーンブースの多くはクラス100などハイクリーン対応のものです。ところが、現在のニーズは「目に見えるゴミが入らない程度」などクラス10000程度のものが多い傾向にあります。需要と供給が一致しないのです。理由はクリーンブースのニーズの移り変わりにあります。以前はクリーンブースのニーズといえばほとんど半導体関係の工場でした。ここでは、まずクリーンルームがあり、局所的にクリーン度を増すためにクリーンブースを使用していました。現在、多くの出物はこういった使われ方をしていたクリーンブースです。しかし、現在クリーンブースはあらゆる業界のあらゆる工程で必要とされており、その必要清浄度はそれほどハイクリーンではありません。よって、クラス100のブースではハイスペック過ぎ、中古よりも新品でクラス1万のクリーンブースを製作した方が安く済むことが多いのです。
【クリーンベンチ】
クリーンベンチは比較的リユースに向いた商品です。クリーンルームに設置されたものであれば、20年ものでもセカンドユースで数年間は可能でしょう。移設についてもほとんどのベンチにはキャスターが付いているので簡単に出来ます。

しかし、一言でクリーンベンチといっても使われる業種・目的によりさまざまな仕様があるので、注意が必要です。ここでは、主なクリーンベンチの種類とどの業界でのリユースに向いているかを表中に記します。

  ↓もとの業種 リユースする業種→ 備考
エレクトロニクス向け垂直気流 × × 清浄度が出やすい。
エレクトロニクス向け水平気流 × × 顕微鏡作業や板状のワークの保管に向いている。
バイオ・製薬用陽圧式 × × 殺菌灯・バーナーなどの付属が多い。
バイオ・製薬用循環式 培養用など空気の条件を変えないように循環する。扉を閉めた状態で運転可。
バイオ・製薬用陰圧式
(安全キャビネット)
細菌、または化学物質など清浄度は必要だが漏れてはいけないものを使用する。
主なクリーンベンチの種類 ※写真は一例です。
※エレクトロニクス用は(バイオ・製薬用途では必要な)殺菌灯が不可のものが多い。樹脂部品が溶けるなどの影響が出ます。
※その他にも多様なベンチがあります。例えば、病院で調剤するときに使用するベンチにはハンガーフック(薬剤をかけておく)付きのものが一般的です。
※バイオ・製薬用陰圧式ベンチは有機用クリーンドラフトチャンバーとして流用が可能です。
※A・B・Cにはテーブル分離式があります。 顕微鏡や精密測定用途でファンモーターの振動を拾わないためです。

※次回は購入時に必要なチェック事項、メンテナンス費用などについてです。


中古トピックスのページへ戻る


中古装置購入までの流れ