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クリーンルーム 


貴社のクリーンルームのコンセプトは何ですか?

お客様のクリーンルームに対するコンセプトは千差万別です。シーズシーでは様々な業種・業界・工程のお客様がどんなクリーンルームを希望されているかをしっかりヒアリングさせていただき、最適なクリーンルーム提案します。
0.5μmの粒子はまったく影響しないけれど、クリーンルームが必要というケースが増えています。HEPAフィルターを天井に並べるだけのクリーンルームは時代遅れです。お客様の生産工程を考え、生産性を最大化すること、品質の安定を実現すること。これこそがクリーンルームの役割だと考えています。
キラー異物対策を徹底したクリーンルーム
ランニングコストを最適化し、清浄度を最大化したクリーンルーム
繊維クズ対策を考慮し、持ち込み塵の少ないクリーンルーム
動線整理により異物があっても、付着させないクリーンルーム
教育を優先し、ハードを最小化しても異物管理が出来るクリーンルーム
ホコリの舞い上がりを抑え、安価で高機能なクリーンルーム

お役立ちコラム 清浄度について クリーンブースとの違い
クリーンルームの稼働前に クリーンルーム清掃・測定


  

クリーンルームの歴史
 米国では1940年代、電気・精密機器の製造に清浄雰囲気の必要性から、空気がきれいなグリーンランドや大西洋上の船内を工場にしたそうです。その頃、米国原子力委員会によって放射性粉塵用エアフィルタとして、HEPA(high efficiency particulate air)フィルタが開発され、米国はこれを搭載したプレハブクリーンルームを軍用として第2次世界大戦で活用したそうです。戦場で通信機器・電子装置の故障の原因が浮遊微粒子のためだと判明したためです。特にレーダなどは70%以上も故障したとそうですが、微粒子を管理した清浄な部屋でこれら装置の組立を行うようにすると、故障率は数%程度に激減したと伝えられています。また、外傷を簡易無菌室で治療することで化膿も少なくなったそうだです

その後、クリーンルームは米国航空宇宙局(NASA)のアポロ計画や半導体の高密度化に伴って飛躍的に発展しました。このようにクリーンルームの歴史の初期には戦争、原子力開発、宇宙開発との大きな関わりがあり、超大国としての米国の役割が大であったと言えます。このような事情から、わが国でも長期間クリーンルーム技術は米国から導入した米国連邦規格(Federal Standard)によるクリーンルーム管理が採用されていたました。この規格は、現在でも習慣的に広く使用されていいます。しかし、1980年代になると国内半導体産業の発展に伴い、わが国のクリーンルーム技術は一気に高まりました。こうした中、1989年にJIS B 9920「クリーンルーム中における浮遊微粒子の濃度測定方法及びクリーンルームの空気清浄度の評価方法」が制定され、さらに各国でまちまちであったクリーンルーム規格を統一するため、1999年このJIS規格を元にクリーンルームの国際規格ISO14644-1が制定されました。

1990年代後半以降はわが国では半導体産業は衰退していきましたが、時を同じくして業種業界を問わずしてさまざまな分野で逆に、製品の高品質化、信頼性。安心を消費者に与える目的でクリーンルーム技術を導入する企業が増加してきました。そして、今ではジャパンブランドの高品質・高性能をささえる技術の一つとしてクリーンルーム技術が活用されています。


クリーンルームの定義
JIS規格では、クリーンルームの定義は1994年に制定され、2000年に改訂された JIS Z 8122(コンタミネーションコントロール用語)に下記のように規定されています。

コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。


また、1999年に制定されたISO14644-1にはクリーンルームの定義の項があり、以下の通り、記載があります。

浮遊粒子濃度が制御されており,室内における微小粒子の流入,生成及び停滞を最小限にするように建設され,使用され また例えば,温度,湿度及び圧力など,他の関連パラメータが必要に応じて制御されている部屋。


2つの定義はどちらも現在施行されているものではありますが若干の違いがあるのが分かると思います。いずれも気中の浮遊微粒子濃度の管理と必要に応じて温度、湿度などのパラメータが制御されて…という箇所は一致していますが、ISO14644-1には室内における微小粒子の流入、生成、及び停滞を最小限にするように建築され、使用され…というJIS Z 8122にない部分があります。この違いはJIS規格で主に空気質の管理についての定義なのですが、ISO規格ではさらに踏み込んで、クリーンルーム内部での生産や作業を踏まえたものであることを示していると思います。

微小粒子の流入、生成、及び停滞を最小限にするように… という語句は良く知られたクリーンルームの4原則にあげられた項目をごく自然に連想させます。すなわち、●ゴミを発生させない ●ゴミを持ち込まない ●ゴミを堆積させない です。
※残り一つは●ゴミを速やかに除去する。

4原則はクリーンルーム運営上の原則事項として、クリーンルーム管理者の中では広く用いられていますが、クリーンルームの設計・制作上でも重視されなければなりません。これはそのあとに続く、語句で建築され、使用され…と表現されているところからも、クリーンルームメーカー(設計製作側)とクリーンルームユーザー(使用側)が、お互い協議し合ってクリーンルーム設計、運営をする姿をよしとしていることが読み取ることができると思います。

また、クリーンルームは完成時がもっとも清浄度が高く、使用するにつれて次第に汚染が進むと言われています。クリーンルームの性能を維持するためには常に汚染に対する管理がなされなければならなりません。よくクリーンルームを完成させるとその後は十分な清掃もしていないような工場がありますが言語道断です。このような維持管理の見地からもISO規格によるクリーンルームの定義をよく理解し、活用することが重要だと思います。

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ゴミ・ホコリの正体と発生源
ゴミ不良の原因となるゴミホコリの発生源は多岐にわたり、どれか一つを対策しても終わりではありません。クリーンルーム導入にあたって一番に覚悟をしなければならないのが、この点だと思います。多岐にわたり、また、割合としては少しずつの積み重ねであるゴミホコリ対策は非常に根気のいる作業です。では、順にゴミホコリの原因・発生源をあげてみましょう。まず、工場外から侵入してくるものとしては、いわゆる大気塵があります。自然由来のものとしては砂漠で巻き上げられる砂塵、火山の噴火、海の飛沫、森林火災や花粉の飛散など。人為的なものでは工事や工場内の装置による破砕粉、摩耗粉など、また、火力発電所やゴミ焼却炉からの微小な灰や、自動車などから排出される塵埃など、これらは産業革命以来急激に増加したと人類の工業化による汚染、すなわち、化石燃料使用による塵埃と言われています。

工場内で発生するゴミホコリは工場内での密度も高く、ワークに付着しやすくなります。主に作業員由来のもの、原材料・副資材由来のもの、装置・プロセス由来のものに分けられます。

 1)作業員由来のゴミホコリ・・・クリーンルームの見地からすると人間はゴミのかたまりであり、常に無限と言えるほどのゴミホコリを発生させています。特に化繊製衣類から発生する「繊維クズ」は人間の動作により容易に脱落し、気中に放出されると、軽量のため気中を長時間漂いやすく、静電気を帯びやすいという特徴も重なってゴミ不良の原因の中でも多くの割合を占めています。また、「ヒトの皮膚片」も見逃せません。ヒトの皮膚は代謝により常に新しいものに入れ替わっていて、古いものは表面から脱落します。形状的には扁平で、非常にもろく触れると壊れてより小さくなります。油分を含むので付着すると取れにくいので処理が大変です。他に喫煙による影響、化粧品の影響も見逃せません。

 2)装置・プロセス由来のゴミホコリ・・・装置由来のゴミホコリとしては、駆動部や摺動部から発生する金属やゴム・樹脂などの摩耗片、ベアリングから出るグリース、圧縮空気に含まれるオイルミストのほか、清掃不足により内部に堆積した繊維クズなどの脱落が原因となることがあります。また、作業プロセスによっては高温蒸気の凝縮や化学反応によって極微粒子が生成し、それらがブラウン運動で衝突して微粒子が形成される場合があります。高温になる装置を使う場合には要注意です。



クリーンルーム入室管理と作業員教育
クリーンルームでは、作業者自身が一番のゴミ発生源になりうることをおのおの常に自覚して行動しなければならないし、また、クリーンルーム管理者は作業者の教育を怠ってはいけません。ところで、クリーンルームに入室する際には無塵衣を着用します。無塵衣は長繊維ポリエステルなどのホコリの出ない素材をホコリの透過がないようにびっしり目の詰まった平織で織り込んだ生地を特殊縫製したものです。それ自身の発塵がなく、内部からの透過がなく、表面にゴミホコリの付着が極めて少ないことが特徴です。着用したとき作業者の体の露出が少なく、つなぎ目も極力少なくなるように製作されています。

一見、無塵衣を着用すれば問題解決と思われますが実際には無塵衣の管理と着衣時の注意が大変重要です。まず、無塵衣を着用した人体からの発塵のメカニズムを考えてみましょう。①無塵衣からの発塵、②非被覆部からの人体の直接的な発塵、③無塵衣や靴に付着し持ち込まれたものの脱落、製品や装置への転写、④襟口・袖口からの漏洩が考えらます。

このうち、①無塵衣からの発塵は経時劣化や作業中のストレスによる生地の傷みによるものが多く、適切な管理が必要です。
②は主に顔面の露出部からの発塵ですが、まばたきによる涙の飛沫、くしゃみや咳によるつばなどの飛沫も含まれます。また、化粧品の使用で発塵量は数倍~数10倍増加するという報告もあります。手袋着用時、作業中に袖との隙間ができるようなことがあるので注意が必要です。
③では更衣室の管理が重要です。更衣室では一般環境から入り、一端それまで着用していた上衣を脱いで、無塵衣を着用することが多いようです。そのため更衣室内はホコリが多く舞っている状態で、これが無塵衣に落下してきて付着するため、無塵衣はクリーンロッカーなど適切な方法で保管するのが望ましいと思います。また、無塵衣はつなぎタイプのものが多く着用時に思わずその一部を床に付けてしまうことがあります。床に無塵衣を付けてしまうと床に堆積したホコリを無塵衣に付着させてしまうため一気に汚染されます。無意識で更衣している場合は、ほとんどの人が袖であったり膝下であったり、フードであったり人によりそれぞれですが、無塵衣のどこかを床に付けて着替えるのではないでしょうか。対策としては簀子(すのこ)を置いてホコリを床に落としやすくする、着替えのたびに粘着ローラーで床を清掃するなどの方法があります。
④動作により無塵衣の内圧が上がり、わずかな隙間である襟口、袖口より勢いよくホコリが飛び出す現象、すなわち「ポンピング発塵」がよく知られています。ポンピング発塵が起こると主に内部に着用した衣類の繊維くずや皮膚片を排出しますが、特に皮膚片は無塵衣にそのまま付着している場合が多いようです。よって、粘着ローラーなどで定期的に除去すると効果的です。

そのほか、人間の行動やクリーンルーム内部で使用する備品などによっても発塵は発生し、また、ゴミホコリの付着による内部への持ち込みも起こります。ですから、入室時だけでなく、クリーンルーム内の動作や持込み品については一定のルールの制定が必要とされています。ルールには作業員自身が守るべき内容だけでなく、管理者によって考慮され、設置されるべきものもあります。例えば、製品は常に清浄空気側に置き、発塵源である作業者は製品より風下側で作業するような配置を行う、といったケースがそうです。
ポンピング発塵
これがポンピング発塵だ!
ポンピング発塵 動画
上写真をクリックすると動画を見ることができます。
ポンピング発塵が起こる原因は、クリーンウエアの内側と外側の圧力差です。通気性の良い生地を使用することでポンピング発塵が軽減できます。
シーズシーは、様々な生地のウエアを用意しております。現場に合ったものを選びましょう。



終わりに
繰り返しになりますが、ゴミホコリの原因は非常に多岐にわたり、少しずつの積み重ねであるので、何か対策を行っても一度にゴミ不良がなくなるわけではありません。地道な努力を欠かさないことが重要です。それにはエンジニアレベルではなく、クリーンルームに携わる作業者による「クリーン化文化の構築」が欠かせないと思います。「クリーン化の文化」とは作業員一人ひとりがクリーンルーム内をきれいに維持しようと常に心がけることです。すなわち、良品率に影響するゴミホコリはクリーンルーム内でも発生し、あるいは持ち込まれ、堆積するということを理解し、これを如何にワーク・プロセスに近づけないようにするか、これが大切なのです。

そのために(原因となる)ゴミホコリの発生源を知る
ゴミの除去方法を知る
効率的なクリーン化ラインを構築する
清掃をはじめ日常管理を徹底する
クリーン化評価方法を確立する

すべては、よい製品を作る努力であり、直行率・良品率を高める努力です。
これを効果的に行うには、定期的・定量的なゴミ対策の結果をグラフ表示することやクリーンルーム内で守るべきマナーを標語として張り出すなどの工夫が効果的です。単にクリーン化機器の導入だけでなく、適切な評価方法「見える化」の確立、作業員の協力によるクリーンルームの維持管理の3つの要素を組み合わせることが不可欠なのです。

 ※参考・引用文献
オーム社出版局:わかりやすい空気清浄化のしくみ 環境科学フォーラム(P99,110-114) 1999
ピューリフィケーション研究会 クリーン化技術入門 第2回「クリーンルームの清浄度とクラス」 (株)テクノ菱和田村 一
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