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シーズシーからのメッセージ(2011年年末)

 ■2011年も間もなく終わろうとしております。
皆様にとってこの1年はどんな1年でしたでしょうか?
この1年は総じて、日本の製造業の端っこの方で頑張っているシーズシーもそして、我が社を含むクリーン化ビジネスに携わる者にとっても非常に厳しい年ではないでしょうか?
このページでは今年の出来事を順に、いちクリーンルーム関係者としてのシーズシーの独断と偏見に満ちたコメントでまとめてみたいと思います。
年初~スマートフォンが好調

今年の初めはリーマンショックより長く続いた不況が払拭されて回復基調がはっきりしてきた時期だったと思います。特に景気の牽引車となったのが、スマホです。
個人的には、従来のケータイにはなかったクラウド機能を使ったアプリが良いと思います。エバーノートやフェースブックなどですね。これらのアプリのおかげでパソコンとスマホがボーダーレスで使えるようになりました。しかし、タッチパネルの文章入力は未だ苦手です。

クリーン化分野で言えば、スマホはあらゆる部品で従来よりもよりクリーンな環境が要求されます。タッチパネルやバックライト、MLCCなどの電子部品の製造、その組立に至るまで、例外ではありません。特に画面が大きく透明なため、ディスプレーのホコリ対策がクローズアップされました。また、フィルムの貼り合わせが多いため、静電気対策も重要です。一番の問題はアセンブリ作業での人が持ち込むホコリの対策だと思います。
対外的にみれば、同じ製品であってもクリーン化の達成の割合は日本企業は相当高いです。それ故に日本製の部品のシェアが大きく伸びたと感じています。このままこの傾向が続いて行けば相当良い年になりそうな予感がしていました。あの日が来るまでは。
●クリーンルームライトL3SQ
装置や作業台に設置してゴミホコリがないかどうかのチェックやフィルムや基盤のダスト付着に確認用途として有効です。スマホのアセンブリに高い効果を発揮します。
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東日本大震災の影響

3月11日私は長野県におりました。ちょうど地震の時はある客先で打ち合わせ中でゆっくりと長く続く揺れがだんだん強くなり、ただ事じゃないと全員避難しました。震度は3~4くらいだったと思います。しかし、まさかこれほどの広範囲に被害が及んでいると想像もしませんでした。もちろん、その後の大津波も。

このページを閲覧中の皆さまの中にも多くの方が被害にあわれたり、影響を受けられたりしていることと思います。改めて、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げます。
原発事故の影響

震災そのものの被害もさることながら、その直後から現在まで、いや、ずっと先まで大きな影響があるのが福島第一原子力発電所の事故です。製造業のクリーン化という視点で見るとこの事故には2つの点で過去にない強い影響がありました。

ひとつは安全神話の崩壊です。メイドインジャパンの製品はどれも安全で品質が良いと世界中のだれもがそう信じていました。それがあっけなく破れ去ってしまいました。この先どれほど努力を重ねてもそう簡単に信頼回復を得ることはできないでしょう。つい、先日まで中国人観光客が化粧品、粉ミルクなどを購入している姿を数多く見かけました。今後はそういう光景はほとんど見なくなるに違いありません。

私たちの製品の一つであるアイビーキャッチャーは多くの食品関連の企業様でご採用いただいております。毛髪やホコリの混入を少しでも防ごうという地道な努力を支える商品であります。しかし、こんな努力を一瞬にして吹き飛ばすような事故でした。安全・信頼この崩壊がどれほど大きな影響を与えるのか、まさに国を挙げて国際的な信頼回復を図らなければならないときだと思うのです。

言うまでもなく、クリーン化のメリットのひとつは製品の安全性・信頼性の向上です。日本製品は他国の製品よりも安全・信頼がおけるから、高くても売れていた、という事実があるのに、結局、誰も安全だと思わなくなったら、当然競争力は激減します。非常に大きな問題だと思っています。

もう一つは電力不足の問題です。結果だけを見れば、今夏の電力不足は何とか乗り切りました。大混乱を避けられたことは良しとしなければなりませんが、節電は生産活動に大きな影響を与えています。しかも、エネルギー問題が解決しない限り、この先も同じような問題が続くことになります。実際の節電は企業の努力に頼り切っているのが現状です。東京電力のレポートによると今夏と昨夏の電力需要ピークは大工場やオフィスビルなど大口利用者で29%、小口は19%それぞれ減ったものの、家庭は6%減にとどまったそうです。実は節電のために企業の生産活動に大きな負担がかかっていたという現実を忘れてはなりません。
●アイビーキャッチャー
エアシャワー内などに設置して飛ばされた毛髪などの異物をキャッチする粘着シート。白/黒2色があるのでコントラストで異物の観察が容易で、作業員の教育にも有効です。食品の毛髪混入防止用途で多くの実績があります。
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節電とクリーンルームウエア

少し前から、暑さ対策または快適性重視をうたったクリーンルームウエアが目につくようになりました。節電要請から今夏はその需要が高まったと思います。一般的にクリーンルームウエアはその性能の一つとして出来る限り、通気せず、内部の発塵要因を外部に出さないことが求められます。(防塵性といいます)通気しないので当然、熱も放出できないので暑いわけです。
暑さ対策または快適ウエアとうたった製品には、いくつかの方法があるようですが、代表的なものを紹介します。

1.縫製に余裕を持たせ、衣服内の容積を増したもの。・・・クリーンルームウエアはつなぎ服ですから、肩にほとんどの荷重がかかります。人間はこの荷重に敏感でわずか数グラム肩に負担が増えるだけで相当の疲労感が増すと言われています。
そこで、肩から背中の生地の面積を増やし、肩のツッパリ感をなくすとともに容積を増して熱を分散させる方法です。内圧も下げるためにポンピング発塵も防ぐ効果が期待できます。
ただし、余分に生地を使うため、コストはアップします。また、荷重の解決だけで快適性は向上しますが、蓄熱の問題はさほど解決していないとも言えます。

2.生地の密度を下げたもの。・・・クリーンウエアの生地そのものの密度を下げる方法です。当然、先に挙げた防塵性を犠牲にすることになります。密度の下げ方としては、生地の繊維の太さを太くして本数を減らせば、間隙が増えることになり、密度は下がります。また、縦糸と横糸の比率を変えて隙間を作る綾織という手法が使われることもあります。ただ、人間の感性として多少密度を下げた程度では通気性の向上を感じるまでには至りません。そうすると今度は防塵性が・・・という問題があります。

3.化学的に吸水速乾性を持たせたもの・・・ポリエステルに親水基を化学的に持たせ、吸水速乾性を持たせた特殊な生地として使用する方法。暑いと発汗しますが、この汗によるべた付きが快適性を著しく損ねます。そこで、汗を素早く吸って乾かしてしまおうという方法です。発汗がひどいような相当環境が悪い場合には快適性が増しますが、問題は発汗しなければ、ただのウエアと変わらないという点です。また、特殊加工のためコストもアップします。

●クリーンルームにおける節電・暑さ対策に関するページはこちら
 ●クリーンルームウエア

シーズシーでは、防塵性と通気性が両立する「コンポジットタイプ」や「通気性の高いタイプ」など様々なクリーンウエアをご用意しております。現場の状況に合わせて選択することをお勧めします。
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いち押し
クリーン服CPコンポジットタイプ
CP1050 つなぎ服 コンポジットタイプ
円高と海外シフト

円が震災直後に高騰し、さらに今秋にかけて、歴史的な水準まで円高が進みました。
私は経済に詳しいわけではないので円高そのものについて論じることはできませんが、この現状では国内製造業に強い負荷を与えていることは間違いないと思います。
円高が国内製造業が縮小する動きに拍車をかけたと感じています。現実に、震災後、多くの製造業の企業が生産ラインを海外にシフトする話を耳にしました。

しかし、生産が海外に移ることで、日本企業から失われている力があることを忘れてはいけません。それは現場の解決力、単に現場力と言ってもいいかもしれません。
国内製造業がまだ勢いを持っていたころには、日本には強い現場力がありました。
現場で問題点を見つけ、分析し、対策を検討し、実際に解決してきました。それはエンジニアだけでなく、パートタイマーに至るまで現場スタッフの力が大きかったと思っています。ところが、海外ではエンジニアのレベルも違うし、ワーカーに至っては全く文化が違います。クリーン化の観点から言えば、日本人はきれい好きでクリーン化に向いています。しかし、すべての外国人がそうとは限りません。また、監視の見えないところで何をするか、分かったものではありません。しかし、これはクリーン化のメリットの一つである、高生産性(直行率の良さ)を支える技術なのです。
海外進出する企業も気が付かないうちにこの見えない力が失われていく・・・、それを伝える技術者も現場も失われていくことを忘れないでほしいと思います。急速な円高で海外シフトが急ピッチで行われると誰も気が付かないうちに誰も現場のクリーン化の進め方が分からなくなってしまったというような修正不可の状態に陥る可能性があります。
タイの洪水と現地のクリーン化

つい先日はタイで大規模な洪水が発生しました。ちょうど、今年はシーズシーもタイ進出を果たした年でしたので、この影響の大きさも実感しました。企業様によっては東日本大震災とダブル被災された会社もあるとお聞きしております。重ねまして、心からお見舞い申し上げます。
収束に長い時間がかかりましたが、今現在はほとんどの被災企業で急ピッチの回復作業が進められているようです。現地企業様の力強い復興をお祈りしております。
現地は明るく、活気に満ちています。タイは企業の集積度からしても、必ずや、以前にも増して発展を続けるものと確信しています。

シーズシーでは精密機器のアセンブリが多いタイのクリーン化のポイントは「見える化」ツールを使ってエンジニア、ワーカーへクリーン化への理解を徹底させることだと思っております。彼らは「見える」と熱心になんとかしようとしますが、見えなければ、特に注意を払いません。彼らが実感を持ってクリーン化に取り組むように、ビジュアルや数値管理を使ったより分かり易い教育が必要だと感じています。
そこで、シーズシーではタイ企業のクリーン化を支援する手段の一つとしてハード商品だけでなく、教育などソフト面での商品を来年にかけて拡充する考えです。
 ●ポラリオン クリーンルーム ライトNP-1

条件にもよりますが最高10μm程度のクリーンルームの気中、付着堆積したダストの両方が観察可能なライト。あらゆる業界、あらゆるアプリケーションでご使用いただいています。
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●RACCAR粗大粒子カウンター

サンプル収集板上の粗大粒子を分級・カウントする装置。気中粒子を吸引する方法では分からない沈降する粗大粒子の定量管理に大変有効です。
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 次世代のクリーン化  

今年の最後には将来の技術革新につながるような画期的な技術の発表がありました。
それはセミコンジャパン2011で展示されてました、「ミニマルファブ」というコンセプトです。産総研コンソーシアムファブシステム研究会のブースでは、なんと展示会場で半導体デバイスを実際に制作するというデモを行っていました。半導体デバイスがハイクラスのクリーンルームを持った工場の中でなく、相当、ダストのある展示会場内で製作可能なんて、従来ではまったく想像もできないことでした。
この技術の詳細説明はこの場では省きますが、ポイントとなるのは「局所クリーン化」という技術です。簡単に言えば、直接ワークが人に触れることは全くなく、ミニマルなクリーン空間のみでワークをオペレーションする技術です。実はこの技術は何も半導体製造だけでなく、もしも実施できれば、どんな業界にもイノベーションを起こすことができると思っています。

我々は粗大粒子の対策にクラス1万(FED-STD-209D、0.5μm/CFまたはISOクラス7)環境を使って来ました。これは基本的には空気の希釈です。しかし、粗大粒子の堆積がある以上、その対策を考えなければなりません。クラス1万環境の局所クリーン化がどうあるべきか?シーズシーではミニファブ構想をヒントにあらゆる業種業界に局所クリーン化技術を活用できないか、検討を始めています。
 以上、2011年を振り返ってみました。改めて見てみるとかつてない試練の1年だったような気がします。我々はこれに打ち勝って未来を切り開かなければなりません。2012年が皆様にとりましてもよいお年でありますように。                   
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