【1】【CSC商品レポート】「こんな使い方もできるよ!
粗大粒子カウンターRACCAR(ラッカー)活用術」 |
「見える化ツール」としてご好評いただいております「粗大粒子カウンターRACCAR(ラッカー)」をご存知でしょうか。4インチのシリコンウエハをサンプル採取板として使用し、測定したい任意の場所に一定時間曝露した後に採取した粗大粒子を分級、カウントしてくれる装置です。特にRACCARで対策を実施した場合、改善前/改善後の定量的な管理が可能になります。
クリーンルーム内のゴミ・異物不良の原因追及を目的とした測定ツールとして多くの企業様にご採用いただいております。そこで今回は、「粗大粒子カウンターRACCAR」の落下塵測定以外の活用方法をご紹介します。「RACCAR」の意外な活用方法でクリーン化のヒントが見つかるかもしれません! |
【使用機器】
・粗大粒子カウンタ「RACCAR(ラッカー)」
・サンプル採取板(4インチシリコンウエハ)
・クリーンルーム用粘着ローラー
・ラテックス手袋 No.911
・テクニトリルブルーロング 型式:GNCP08
・クリーンウエア 型式:CK1334
【検証場所】
・シーズシー内ラボルーム
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粗大粒子カウンターRACCAR |

サンプル採取板
(4インチシリコンウエハ)
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| ▼RACCAR活用方法1:クリーンウエアのスタンプテスト |
【活用目的】
クリーンナップしたサンプル採取板(4インチシリコンウエハ)をクリーンウエアにスタンプすることでウエアに付着する粒子汚染を調査!付着異物が不良対象異物の粒径と同じ場合、交差汚染であることを特定し予防対策を立てる!
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【活用方法】
1)クリーンクリーニング済のクリーン
ウエアを着用後すぐにサンプル採取
板を3秒間押し当てる。
2)その後、一般環境で2時間作業し、
クリーンウエアの同じ箇所に3秒間
サンプル採取板を押し当てる。
3)1、2それぞれスタンプテスト後、
サンプル採取板をRACCARで測定する。
※押し当てる力をできるだけ統一するため、
サンプル採取者は1、2ともに同人物です。
※スタンプ後はウエハケースの蓋をすぐに
閉め速やかにRACCAR測定を行いました。
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スタンプテストの様子
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| 【測定結果】 |

1)クリーンウエア着用後すぐ
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2)クリーンウエアを着用し、一般環境で2時間作業後
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【活用ポイント】
今回の測定では作業後に付着量が全体的に増え、粒径の大きな異物の付着が確認されました。付着異物が不良対象となる粒径サイズの場合は、製品への交差汚染の原因となり得るため交差汚染を防ぐ対策を立てることができます。自社の不良対象粒径を把握しておくことが大事です。
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| ▼RACCAR活用方法2:作業手袋のスタンプテスト |
【活用目的】
活用方法1と同様に「素手」「手袋着用」「ローラーでクリーンナップした手袋」の
3パターンで測定を行い、作業手袋が交差汚染の原因となっているか確認する! |
【活用方法】
1)「素手」「手袋着用」「ローラーでクリーンナップした手袋」それぞれ3秒間
サンプル採取板に手を押し当てる。
2)その後、それぞれスタンプテストを行い、サンプル採取板をRACCARで測定する。
※手袋クリーンナップツールには、クリーンワイパー・クリーンルーム用粘着ローラ
を使用しています。
※手袋は付着塵ゼロの確認が取れるまでクリーンナップ→サンプル採取板に転写→
RACCARで測定を繰り返します。
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素手の状態でスタンプテスト 手袋を装着してスタンプテスト |

手袋クリーンナップ後、スタンプ測定
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測定結果
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【活用ポイント】
一見、クリーンに見える手袋も剥離用パウダーや異物が付着している場合が多くあります。今回の検証では、製品に触れる前に粘着ローラーでハンドクリーンが必要であることの裏付けとなりました。
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| ▼RACCAR活用方法3:クリーン手袋を使用した転写測定 |
【活用目的】
装置内の湾曲部分や凸凹部分、材料端面のようなサンプル採取板の設置が難しい
場所でも測定を行う!
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【活用方法】
1)付着塵0になるまで手袋をクリーンナップする。
2)クリーンナップした手袋を装置内の湾曲部分や凸凹部分、材料端面のような
測定したい場所にスタンプするように触れる。
3)スタンプした手袋をサンプル採取板に転写し、RACCARで測定する。
※手袋クリーンナップツールには、クリーンワイパー・クリーンルーム用粘着
ローラを 使用します。
※手袋は付着塵ゼロの確認が取れるまでクリーンナップ→サンプル採取板に
転写→RACCARで測定 を繰り返します。 |

装置の湾曲面や材料の端面などに手袋をスタンプ
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その後サンプル採取板にスタンプし、測定を行う
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【活用ポイント】
装置内の湾曲した部分や凹凸部分、材料端面といったようなサンプル採取板での測定が難しい場所でもこの方法であれば、測定が可能になり活用頂けます。 |
【活用について】
クリーンルームウエアや手袋など「クリーン」だと思っていたものが「粗大粒子カウンターRACCAR」を使用することで汚染原因となり得ることが判明しました。
この方法で使用すればクリーンルーム用品の汚染状況も簡単に確認することができます。また、測定結果を粘着ローラー掛けの頻度設定や清掃方法決定の根拠とする等、活用方法は様々です。
RACCAR測定に要する時間は10秒もかからず、サンプル採取板はクリーンナップにより繰り返し使用することが可能です。落下塵測定はもちろん、あらゆるアイテムについて気軽に測定することができるため、是非「粗大粒子カウンターRACCAR」を皆様のクリーン化にお役立ていただければと思います。
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