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2016.10.24更新
クリーンルームの4(5)原則の復習
クリーンルームにゴミを持ち込まない
半導体の時代からクリーンルームの4原則(または5原則)という言葉がありました。クリーン化を進めるにあたり、大変大事なこととして長く受け継がれてきた言葉です。クリーン化の神髄と言ってもよいと思っています。今回は「クリーンルームにゴミを持ち込まない」について解説します。当たり前のことですがいったいどうすれば効率的に出来るのでしょうか?
業界別のご紹介
【「クリーンルームにゴミを持ち込まない」とは?】
クリーンルームの4原則とは?
先に紹介しておきましょう。日本製品は海外の観光客に「品質が良い」と人気です。これは、「クリーンルームにゴミを持ち込まない」というコンセプトが日本人に向いて、品質向上のためルールを守る結果です。他国の作業員と比較しても真面目で決まりをきちんと守る、ということに関しては秀でている、と誰もが認めるところでしょう。要するに「クリーンルームにゴミを持ち込まない」は日本人のメリットを最も強く活かせるポイントであるのです。
以前(2000年ごろ〜)、生産自体がインフラやコストの関係で海外に移っていくと次第に海外の労働者に「日本人気質」を教えなくてはならない、これは現地のエンジニアにとっては大変難しい課題でした。私もタイへ随分行きましたが、タイの作業員は「休み時間に床に寝る」のです。床は汚れているし、そのまま作業すると製品も汚れます。
ところが、何度言っても直りません。あるとき、私は何故だろうが高じて、床に寝てみました。理由はすぐにわかります。暑いときにひんやりと冷えた床に寝ると滅茶苦茶気持ちいいのです。なるほど。しかし、日本人はそういうことをしない。だからこそ「クリーンルームにゴミを持ち込まない」を守るのが得意なのです。
【業界別の異物と持込防止案】
今までに新会員ページの事例で異物の話を沢山行いました。愛読者の方には分かっていただけると思いますが、現在、0.5μm>の異物管理を最重視している会員の方は全体のわずか8%程度です。ほとんどの会員の方は別の異物対策で苦慮されています。(もっと大きな異物)
そこで今回は業界ごとに多くある問題点を挙げて「持込防止提案」を行おう、と思っています。ページでは業界ごとのタグをつけて閲覧がしやすいようにしています。
また、前提は作業エリアは「クリーンルーム」であることです。ここに入るのは作業員、製品、そして工具などのツールと思ってください。エアシャワーを通過してクリーンルーム内に入るという前提です。
■食品業界
主な異物:「虫」 「毛髪」 「金属など製造工程から出る異物」
ほとんどの場合、エアシャワーを通過して入室します。大手製造メーカーほど入室時のチェック項目は多く手間がかかることが多いですが、その分持込み異物は極端に少なくなります。クリーンルーム内はダウンフローの一方向流式なので異物混入のリスクはほとんどありません。それでもどこからか異物は混入します。
シーズシーから提案したいのは2点です。一つは粘着エアシャワー用シート「アイビーキャッチャー」の使用。そして、エアシャワーでの除塵。CS−JJという専用イオナイザーを使用します。
アイビーキャッチャーの特長
アイビーキャッチャーで捕集されたモノ
非常に強粘着であるということで粉製品のユーザーさんでの評価が高いです。粘着マットをカットして穴を空けただけの製品やウレタンゲルの競合製品と比較するとなんといっても効果が長持ちします。粉にも負けず毛髪を長期捕集するので対コスト効果が大きいのです。
粉を多く使う、和菓子、餅、粉製品、パン、小麦粉などの工場での需要が広がっています。
CS−JJの特長
DCタイプのイオナイザーで他社メーカーエアシャワーにも後付け可能です。(メーカー名や写真を事前に添付してください)イオナイザーの問題点は動作時間に対してメンテナンス頻度が高いこと。その点、エアシャワーの動作に合わせてイオナイザーを動作させるのでメンテナンス頻度をぐんと落とすことが可能になりました。
また、DCタイプイオナイザーは遠くまで有効範囲が広いのでエアシャワー内の除電性能が向上します。特に毛髪は主にプラスに帯電し樹脂製品はマイナスに帯電しやすいので非常に付着しやすく取り付け後の効果がはっきり分かります。イオナイザーをエアシャワーに取り付けることで異物のクリーンルームへの持込みが減少します。
CS−JJの取り付け事例
※金属異物に対しては金属探知機などをお勧めしております。(シーズシーでは取り扱いはありません)
■薄膜塗装(自動車塗装)
主な異物:「繊維くず」 「金属異物」 「研磨粉」 「前工程からの持込み」
塗装は最も異物不良の多い工程です。対象異物は多岐に渡ります。本日はその中から上記4点に異物を絞り対策を考えます。問題点を複雑にしているのが、工程が陰圧であるということ、また、乾燥が放熱工程であり、暑いという問題を同時に解決しなければならない、ということです。また、塗装では対象異物が小さくなるという問題もあります。
しかし、10年前と比較するとクリーン服の着用は当たり前になっていますし以前ほど問題視されることは少なくなってきました。
◆◆繊維くず対策◆◆
もっとも数の多い異物が繊維くずです。その多さが半端でないので手間とコストが多くかかるというのがエンジニアが閉口する点でしょう。自動車塗装の場合では目視限界よりも小さな25μm<の異物対策が主です。
また、服に付着という観点から考えると明らかに「皮膚片」「繊維くず」が主な付着物です。皮膚片の方はエアシャワーがもっとも苦手とする異物で逆に繊維くずはエアシャワーで落ちやすい特徴があります。
人の皮膚片
※べったりとくっつき取れにくい。
ウエア上の繊維くず
※取れやすい。
なのでハード的にはエアシャワーが対策のキーポイントとなります。そしてソフトに関しては作業員の教育です。
クリーン服をきちんと着用しないとダメ!
●EVEエアシャワーで対策。※異物量に合わせた
エアブロー時間の設定が可能。
●クリーニング性能が良くない。 → 人が多いのでコストをかけたくない。
家庭用の洗濯機で洗濯。もともとの持込み量が減少していない。
●暑いのでウエアの着用方法が正しくない。また、雇用方法から直接指導できない。
◆◆金属異物対策◆◆
繊維くずの数の多さの陰に隠れがちですが、コンベアの破片のような金属異物は付着すれば、即不良となるため、対策の優先度は上位に来ます。製品の搬送にコンベアを使うケースが多いのでここではコンベアからの発塵を挙げてみたいと思います。
コンベアは常に製品の近くで動いていますし、摩耗がいつ起こるかわかりませんからリスクは高いです。
管理のポイントとしてはまずは繊維くずを減らすことですね。バックグランド数が多すぎると「金属片を探す効率」が落ちます。異物が少なければ見つけるのは簡単です。放っておくと靴底や台車のキャスターなどであちこちに飛散し対策が難しくなります。
●場所依存性の高さ クリーンルームライトやRACCARで評価。コンベアからの発塵した異物はそれほど遠くまで飛んでいきません。
清掃などをきちんと行っておれば場所的な移動は多くないと思われます。靴を履き替える、マットや靴底洗浄機を使用する、などと合わせて対策してください。異物の移動ポイントは上→下、風上→風下です。風のコントロールを行いましょう。
●コンベア通過ラインでしきい板を敷く。構造上完全にコンベアを塞ぐことは難しいですが、金属は重いので上方への移動は減少します。問題はハンガーコンベアですね。
◆◆研磨粉◆◆
アルミ複合板+クリーンルームライトで
金属異物を探索、きちんと清掃。
大きさ的にはさらに小さく10μm程度です。問題なのは溶接後の仕舞のため、研磨作業を行うことです。作業により研磨粉が集まってある程度の大きさになり、異物化します。ほとんどの場合、「拭き方教育」などのソフト的に対応可能です。
◆◆前工程からの異物の持込み◆◆
自動車塗装ラインの場合、製品はコンベア上をずっと移動していますので、塗装工程での異物対策であっても、その前の工程からの異物があれば、いくら塗装工程をきれいにしても意味がない、ということになります。
以前、塗装前の工程をクリーン化したことがあります。もちろん、作業員の反対は凄まじく私は3回もレクチャーに行きました。様々なデータをとって前工程をクリーン化するとこれが大正解。塗装工程のOK率が大変向上したそうです。
■電子部品業界
主な異物:「繊維くず」 「セルロース」 「摩耗片などの金属片」
基本的には製造されている製品によって異物も様々です。基本的には人の服由来の繊維くずがやはり圧倒的に多いです。製造装置にはカバーが掛けてあったり、陽圧化されていますが軽量でカバー扉を開けた瞬間などに装置内に入り込み内部に留まります。
クリーンルームライトで見ると装置の下部は金属片や装置自体の移動時に発生する異物が多いのですが上部にはなぜか繊維くずが多い場合があります。
そんな場合の犯人は大抵イオナイザーで静電気除去のために吹く風が異物を舞い上がらせます。
◆◆繊維くず対策 手指汚れ対策◆◆
繊維くず自体は人由来なので人対策、エアシャワーなどの管理が重要です。また、食品と違い「手汚れ」が嫌われる時があります適切な手袋の交換頻度と洗浄、さらにはクリーンルーム内でのマットやローラーによる簡易洗浄が重要です。
◆◆セルロース◆◆
セルロースは自然由来の素材です。紙やワイパーなどとして作業中に使うことがあり、少量だからと気にせず使用したりするので時々不良原因となります。クリーンペーパーを使えば大丈夫かと言えばそうでもありません。パンチ穴明け、ハサミやカッターによる切断などを行う場合注意しましょう。
手指の汚れ除去 粘着ローラー
◆◆摩耗片などの金属粉◆◆
これが発生するような工程であれば集塵機は必要です。かなりリスクが高い異物ですので注意しましょう。トレイや容器などの清掃不足で前工程からの持込みが多く、先のイオナイザーやFFUの風で舞い上がります。風の方向と製品の動線をうまく考えればかなり避けることが出来るはずです。
■医療機器
光学系
主な異物:「あらゆる異物」
※かなり小さな異物も対象となる
最近は医療関係のビジネスも増えてきました。特に光学系メーカーが手掛ける光学系の装置は対象物が微細であること、異物による画像不良が許されないことから非常に高度なクリーン化が要求されます。
手掛けるメーカーがほとんど半導体やカメラなども行っているためクリーンルームの運営は慣れたものですが、拡大して観察などを行うために浮遊微粒子と粗大粒子の境目あたりまでが対象となります。
◆RACCARの活用
落下、付着してしまう異物を嫌うためにRACCARの運用が有効です。
医療機器の組立
主な異物:「繊維くず」 「ペットくず」 「装置からの摩耗粉」
病院で使用する医療機器の製造も増加しています。それ自体の清浄度要求はそこまで高くないのですが最終工程で透明のブリスターパックに入れるのでその前に除塵を行います。多くの場合は高圧エアを使いますが、飛ばしたはずの異物が再付着してしまう、ということが起きます。
◆クリーンウォールの使用
PUSH−PULLになっているので飛ばした異物を回収できることがメリットです。それほど多くの異物が付着しているわけではないので既存の机とセットで使います。
◆手袋の着用
作業性のため、安価な溶着手袋を使うケースが多く、手袋の痛みから発塵することがあるようです。手袋の管理が重要です。
クリーンウォールの活用
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