2017.02.06更新

床掃除実験レポート�@　用具検討編
〜どの用具が埃をキレイに拭き取れるのか〜
クリーンルーム内の塵埃は最終的に床に落下して堆積してしまいます。床からの埃の再浮遊により製品に問題が生じることが多いため、床の清掃管理はクリーンルームの維持管理において非常に重要な役割を担います。但し、適切な清掃時間・清掃方法・清掃ツール等は、各生産の状況や問題となる異物の種類によって異なります。それぞれの現場に合ったやり方が見つかるまで試行錯誤が必要となります。そこで、皆様の力になりたいという考えから、各社のクリーンルーム清掃方法の確立のヒントになれるように、シーズシーは様々試験を進めていき、その結果をレポートいたします。どうかお付き合いください。
この度は床清掃用具の実験レポートです。人には「適材適所」というのがありますが、道具もそうではないでしょうか。業務を上手く遂行するために、適切な道具を使うべく、逆に、不適切な道具を使うと逆効果をもたらすリスクだってあるのです。そのため、各現場で道具選定を慎重に行うべきです。その参考の一つとして、ここで、シーズシーは、市販されている様々な床清掃用具の中からいくつかピックアップし、それぞれの埃の除去率を調査しました。クリーンルーム内、前室、一般環境などの用具選定のご参考になれば幸いです。

検証方法
床に塩ビシート（黒）を敷き、その上にコットンリンター（繊維くず）を万遍なく撒きます。そこで、実験対象の清掃用具でＵ形で拭いた後、ポラリオンライトで除去効果を評価します。 比較対象の清掃用具 １）家庭用サイクロン掃除機 ２）クリーンルーム内清掃用スポンジ ３）刷毛モップ ４）フロアモップ ５）ＬＴＫワイパー（ドライ） ６）ＬＴＫワイパー（ウェット）	繊維くずが塩ビシート の上に載っている様子	拭く方向

■掃除機

一番手は、家庭用サイクロン掃除機です。 結果は埃がわりと残っています。おそらくブラシの構造の影響か、埃が波のような線の形で出没しているように見えます。 掃除機の吸い込み口です。ブラシが付いています。 　 埃を吸い取った後の様子 また、端っこはあまりキレイに吸い取れていないようです。

■清掃用スポンジ

次は、ＰＶＡスポンジです。吸水性・保水性が優れいていますが、乾くと、固くなります。今回の実験では、水を濡らしてから使用します。しかし、スポンジ自体が塩ビシートの表面にくっついてしまい、動かしにくいので、他の製品と同じように押すことができなく、前に歩いて引っ張ることにしました。 Ｕターンの際に、線が出来てしまいます。当スポンジは埃を吸収する機能がないように思われます。

■刷毛モップ

刷毛モップを濡らして拭いてみました。 埃がたくさん残っています。 水跡も残ってしまいます。

■フロアモップ

家庭用のフロアモップです。 「パイル」部分の生地は綿１００％です。ドライの状態で拭いてみました。 スタート側 ゴール側 拡大図

■ホウキ

ホウキです。毛の部分はポリエステル約60%(再生樹脂)・黒パーム約20%、馬毛約20%です。 お寺の庭の砂紋のようです。 ホウキは埃を吸収しないため、押し出す力でゴールに埃の塊がたくさん出てしまいます。

■ＬＴＫワイパー（ドライ）

次は、ＬＴＫワイパー（ドライ）の結果です。但し、この結果は、別の実験から引用されたものなので、Ｕ形ではなく、一方向の拭取りとなります。でも、実験のやり方や条件については他の用具と同じです。 ＬＴＫ1666ワイパー ポリエステル１００％です。 当実験では家庭用のモップに 付けて使用します。 モップヘッド 白い所は凹みです。 凹みの端っこに 埃が収集されます。 拭いた後のワイパー    力を掛けず、普通の歩く速度で拭きました。 拭き残しがかなり残っています。

■ＬＴＫワイパー（ウェット）

最後は、水道水を濡らしたＬＴＫワイパーです。ドライと同じく、家庭用のモップを使用します。 　　 　　　拭いた後のワイパー かなりキレイに 拭き取れました。 スタート地点で埃がモップヘッドの凹みの形で残っています。モップヘッドの凹みがスタート地点での拭き残しの原因となっているようです。 　　　　　 ドライの時ははっきり見えませんが、ウェットの時は大変くっきりと見えます。 これまでの実験で判ったのは、コットンリンタ―のような繊維くずの場合、６）のようなウェットな状態のワイパーが有効みたいです。但し、モップヘッドの形状が除去率に大きな影響がありますので、注意が必要です。

■考察

各清掃用具の除塵具合は様々ですね。同じワイパーでも、ドライとウェットな状態が異なる結果をもたらします。しかも、使い勝手の良さなども様々です。清掃用具の選定において、除去率の他、使いやすさなども重要なポイントだと思います。また、各用具は得意不得意があり、ある場面（または対象ゴミ）ではキレイに清掃できましたが、別の場面（または対象ゴミ）では上手く清掃できないことが有り得ます。そのため、実際に使う場面での試行錯誤が不可欠かと思います。実際に試してみて検討してからこそ、最適な用具に出逢えるのです。 本実験はほんの一部の用具しか行われませんでしたが、少しでも皆様の清掃用具選定のご参考になれば幸いです。

関連商品

■　クリーンルームの清掃確認に・・・・・・ ■　長い柄で床清掃も可能・・・・・・ ■　クリーンルーム内の清掃に・・・・・・ （※ワイパーのページには今回の実験で使用した「ＬＴＫ１６６６」ワイパーが掲載されておりませんが、ご興味のある方はお問合せください。）

メルマガ会員のトップページへ戻る
お問い合わhttps://www.csc-biz.com/contact/@csc-biz.com?Subject=会員ページお問い合わせ">info@csc-biz.com 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　電話　０７８−２５２−７２０１ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　FAX　０７８−２５２−７２１０