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加湿器付きクリーンブース

静電気対策には湿度コントロールが有効です。そこで水滴の出ない加湿器「クリーンウエッター」とクリーンブースをダクトで直接ドッキングしました。
静電気が発生しやすいフィルム加工やプラスチック成型、静電気によって壊れやすい電子部品の検査工程、ハンダ付け、などの静電気対策とクリーン度がどちらも要求される工程に最適です。
 
加湿器:AW-50Dです。アルミダクトでブースに加湿した空気を吹きだします。 HEPAフィルターユニット上部にチャンバーを設け、ロスが無いように加湿した空気を送り込みます。 少し上からブースを見たところです。中に見えるのはパーティクルカウンターとイオナイザーなどの実験器具です。

  
こんな業界のこんな用途に
エレクトロニクス/組立検査
フィルム テープ/加工検査


プラスチック/加工 検査
ガラス光学部品/加工検査

加湿器付き クリーンブースの特長

1.クラス100~10000のクリーンブースを加湿し、清浄空間を保ったまま、静電気対策を行うことが出来ます。
2.クリーンブース、クリーンウエッターの風量から、簡単に加湿能力を設計することが出来ます。
3.水滴が出ないので装置のサビや加湿器近くの水溜りができません。
4.吸込み空気より気化熱をうばうため、3~5℃温度が下がった空気を送風するのでブース内は湿度が上がっても不快な状態にはなりません。
◆◆加湿器付き クリーンブースの試験結果◆◆     04.06.24 in Kanazawa
1.概略仕様 ブースサイズ:W6000×D4000×H2200
       FFU:20m/min ×2台 =40m/min  ※換気回数:約45回/h
       加湿器:AW-50D 風量:44m/min 
2.外気条件 温度:27℃ 湿度:52% 0.5μmパーティクル数:約160万個/cf
◆◆清浄度と温湿度の変化 ◆◆
- パーティクル数
(0.5μm/cf)
温度(℃) 湿度(%)
約30分後の吹きだし口


吸い込み口の写真
運転前 1655520 27 52
1分後 1417790 26 55
3分後 569200 27 60
5分後 224240 26 62
7分後 130660 26 63
10分後 14320 25 65
18分後 3210 24 67
20分後 1350 25 67
25分後 200 25 67
  ※通常のクリーンブースと同様に清浄度が上がっていくと同時に、湿度も上がります。
  パーティクル数が安定するのは約25分後ですが、温度湿度は約20分で安定しました。
  なお、この実験は内部に人が入らない、無負荷の状態で測定しました。
◆◆加湿能力と風量について ◆◆
※従来のクリーンルーム・クリーンブースにおいて加湿量を求める計算は大変複雑で計算どおりの結果が出ないという問題点がありました。今回の加湿器付きクリーンブースではクリーンブースとクリーンウエッターは風量がほぼ同じなので非常に明快に加湿量を求めることが出来ます。※今回に限らず原則的に風量をほぼ同量に設定します。
(例)AW-50DAの場合、絶対湿度(kg/kg)は約0.003kgなので、クリーンブースとクリーンウエッターの風量がほぼ同じなので、そのままの数字がブース内の加湿量となり、上の実験結果に当てはめると以下のようになります。
これは空気線図といいます。いろいろなことが分かるらしいのですが、ここでは加湿と湿度の関係だけを調べます。
右の図はこのあたりを拡大しました。
①外気 27℃ 相対湿度52%のポイント 
②AW-50DAの絶対湿度加湿量0.003kgを足します。
③加湿後の温湿度を求めます。このとき、温度が下がるのがポイントです。ほぼ、実験結果と等しくなっています。
◆◇この式で加湿能力が足りないとき!
クリーンブース内からクリーンウエッターへのリターンダクトを設置します。
吸い込み空気の湿度が上がるので、更に加湿能力がUPします。

ダクト接続型クリーンウエッター

型式 AW-30DA AW-50DA AW-70DA
外形サイズ(W×D×H) 900×550×2250 1000×600×2400 1000×850×2700
加湿量(L/h) 5.6 8.6/8.2 13.6/12.7
風量(m/min) 30 46/44 73/68
電源 単相 100V 3相 200V 3相 200V
保有水量 20L 30L 40L
吹きだし口(※変更可) 塩ビ製VP150φ×3 塩ビ製VP150φ×4 塩ビ製VP200φ×5
本体:帯電防止塩ビ板 (※通常の塩ビ板を使用したものもあります。)

クリーンウエッターとは

◆エアワッシャ式加湿器 水滴(霧)も蒸気も出さずに湿り風を送風して加湿を行い、さらに室内空気も循環しているため空気清浄効果も得られます。
クリーンウエッターの仕組み
◆加湿の必要性

クリーンエリアでは静電気によるさまざまなトラブルが問題となります。一般的には冬期は外気が非常に乾燥しますし、夏場でもエアコンのコンプレッサーの働きにより、外気よりも室内の湿度は低くなる傾向になります。よって、静電気を防ぐには、加湿機を使用して一定以上の湿度を保つことが必要となるのです。

◆クリーンブースとの相性 極端な話、ブース内で事務所用の加湿器を使用しても効果はあると思います。
しかし、発塵を押さえるにはHEPAフィルターを通過させる必要があります。ところが、HEPAフィルターは細かな水滴も捕集してしまいます。フィルターの表面が濡れるとゴミ同士が溶けて固着したり、フィルターのガラス繊維が溶けて弱くなったりします。その点、完全に気化した湿り風を送風するクリーンウエッターなら問題はありません。
◆他の方式との比較 蒸気式、超音波式、スプレー式など他の方式との比較をしました。
加湿器の比較のページをご覧下さい。

加湿と静電気対策

◆湿度と静電気の発生 静電気の発生は空気中の湿度と大きな関係があります。一般的には湿度が40%より下回るようだと静電気は急激に発生するようになります。静電気対策が必要なクリーンルームでは多くの場合、湿度を50~60%に調整します。
◆イオナイザーとの併用 イオナイザーは効果はありますが、有効範囲が狭いのが欠点です。後述の実験からも全体を加湿して静電気の発生を抑えつつ、局所的にイオナイザーを使用することが有効だと考えられます。
◆導電性床材とアースの活用 もう一つの効果的な方法はアースをとることです。特に床は導電性のマットや塗装で静電気を逃がすようにしなければなりません。また、作業員、金属の作業台、装置などはアースを取ることが大切です。
 
【テフロン板を使って測定しました】
発塵せず、酸性の薬品にも強いのでクリーンルームの中でも良く使われるテフロン板(PTFE)。実はかなり強くマイナスに帯電する性質を持っています。
上記のクリーンブースを稼動する前、ポリエステル製クリーンルームウエアの生地で3回ゆっくりと擦り、アースをとっていないテーブルの上に置き、表面電位計で測定すると、-6300Vありました。
かなり、大きな帯電量です。また、放置しても値はほとんど変わりません。
この状態でブロア型イオナイザーを約30cmのところに置いてスイッチをONにします。たちまちのうちに除電されて、100V以下になります。
次に、テフロン板を取ってもう一度ポリエステル生地で3回擦り、今度はONしたままのイオナイザーから約1m離した所(風が直接当たらない場所)で測定してみます。値は-7600V。イオナイザーの除電効果は極めて限定的なものだということが分かります。
加湿後(70%)もう一度、テフロン板を擦って見ます。帯電はするものの、帯電圧は下がり、半分程度になります。また、放置すると少しづつではありますが電位が下がってきます。
【実験の結果から】
加湿されたエリアでは静電気の発生を防ぐ、もしくは、速やかに除電するということはできませんが、静電気の発生量が下がる、ゆるやかに除電するというでは効果があると考えてよいように思います。おそらく、イオナイザーと組み合わせることで効果が増すものと思われます。

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