| 2018.07.23更新 |
| クリーン環境汚染時におけるCSバルーンの効果 | |
今回はクリーンルーム及びミニエンにてＣＳバルーンの有無による清浄度の回復速度を比較する実験を行いました。クリーンルームで実施した場合とミニエンで実施した場合に分けてご報告します。① クリーンルームにおける実験の場合【クリーンルームの概要】大きさ：約５x６ｍ搭載ＦＦＵ：ＣＳ－ＣＵＴＥ－１０ＣＦ ４台 【実験目的】ＣＳバルーンの有無による清浄度回復速度の比較を行い、その効果を検証する。 |
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【実験方法】１） ＣＲ内のＦＦＵスイッチを全てオフにし扉を開放した後、ＣＲ内の０．５μｍの異物が２０万以上になるまで待機。数値に達した時点で扉を閉め、ＦＦＵの風量：最大にセットし、スイッチＯＮにする。２） ＦＦＵ直下を避け、イメージ図Aにあるエアシャワー前のみで測定。 ※測定できる最大回数を０．１ＣＦとする。 |
 イメージ図A |
| ３） 同じ測定場所（エアシャワー前）にて、ＣＳバルーン有／無の場合で測定。 ４） ３）終了後、ＦＦＵの風量：中 にセットし、再度ＣＳバルーンの有無による違いを測定する。 ※測定はいずれも0.1cfにて行い、その数値を10倍し、1cf換算にする。 |
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【実験の様子】  左：CSバルーンあり 右：CSバルーンなし |
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【実験結果】 |
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【考察】ＣＳバルーン有の方が無に比べて、ＩＳＯ６（クラス１，０００）になるまでの時間が少し早かったです。また、ＩＳＯ６（クラス１，０００）以下になった後、低い数値で安定し、>５．０μｍの異物は短時間でカウントしなくなったことが確認されました。そのため、清浄度の回復速度や回復後の安定につながっていると判明しました。また、ＦＦＵの風量を変えて試験を行った結果、喚起回数的には中でも十分なためさほどの変化は生じませんでした。 クリーンルームでは床の堆積塵埃を除去してから２０万の浮遊塵埃を送り込んで試験しているため、床からの再浮遊塵埃は加味していないと思われます。実際のクリーンルームでは堆積塵埃もあるため、 再浮遊を加味すると数字はより広がると推測されます。 |
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② ミニエンにおける実験の場合（堆積塵埃の多い場合）【ミニエンの概要】大きさ：１ x １．５ｍ 高さ２ｍ搭載ＦＦＵ：NSF ０７ＢＨＦ １台 ※一般環境に設置している。 【実験目的】ＣＳバルーンの有無による清浄度回復速度の比較を行い、その効果を検証する。 |
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【実験方法】１ ）ミニエン内のＦＦＵスイッチをオフにし、ミニエン内の０．５μｍの異物が２０万以上になるまで待機。数値に達した時点で、ＦＦＵの風量を最大にセットし、スイッチＯＮにする。環境条件としては通常前室として使用しているミニエンであり床には複数の堆積塵埃があります。２） ＣＳバルーン有／無の場合で測定。 ３） ２）終了後、ＦＦＵの風量：中 にセットし、再度ＣＳバルーンの有無による違いを測定する。 ※測定はいずれも０．１ｃｆにて行い、その数値を１０倍し、1ｃｆ換算にする。 |
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【実験結果】 |
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ＦＦＵを付けると気中パーティクルが一気に減り、ＣＳバルーンの有無によって、差が明らかに見られました。風量：最大の条件の場合、ＣＳバルーン無は９分経ってもなかなか２，０００個以下にならないのに対し、ＣＳバルーン有の場合は、２分で約２００個まで数値が下がりました。その後の数値も安定しています。風量を最大にした場合でも、中にしても同様にＣＳバルーンの効果が見られました。【考察】ミニエンに関しては、ＣＳバルーンを設置することでより効果が見られました。これはクリーンルームに比べ堆積塵埃が複数あったことと、狭い空間のために側面をつたい塵埃が上昇することにより、ＣＳバルーン有無による違いがより明確になったためかと思われます。吹き出し口が壁などに近接している場合などは、ＣＳバルーンを使用せずにＦＦＵだけで稼働した場合、速い風速が床や壁にある塵埃を舞上がらせることが安易に想像できます。ＣＳバルーンを使用し、風速を落として満遍なく風を送ることで、狭い空間はより早く清浄度の回復の速さを実感することができました。この２タイプの実験結果から、ＣＳバルーンを使用することによって舞上がりを抑える効果があると思われます。 |
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