2019.06.10更新

クリーンルームあるある実験レポート　第3弾！！

「クリーンルーム用ごみ箱がごみを撒き散らす？」 クリーンルームあるあるとして、よく目にするものが【クリーンルーム専用】と称するゴミ箱です。清掃作業後や、製品に付着したごみを除塵した後にでる使用済みワイパー等を捨てるために、フットペダル式のごみ箱をよく見かけます。 そこで今回は、何気なく使用しているゴミ箱が果たしてどの程度発塵しているのかを検証しました。 【実験目的】 クリーンルーム用ごみ箱を使用し、蓋の開閉時の気流の舞い上がりや、清浄度の変化について検証する。 【実験環境】 温度　２４℃　湿度　５０．０％ 【実験方法】 〜１．気流可視化〜 １−１） ごみ箱の中にミストストリームを充満させ、開閉時の乱流を動画で撮影する。 ２） ごみ箱の中にミストストリームを充満させた状態で高さ１mの位置からワイパーを落とし、気流の変化を動画で撮影する。 〜２．パーティクル測定〜 ２−１） ごみ箱が空の状態で、実際にワイパーを使用して清掃を行い塵埃が付着したワイパーを高さ１ｍから３回落とし、膝の高さ(50�p)での清浄度を計１０回(12sec/回)パーティクルカウンターで測定する。 【使用機器】 ・クリーンルーム用ＳＵＳ製ごみ箱 ・気流可視化装置「ミストストリーム」　型式：ＣＳＣ−ＭＳ００２ ・ポラリオンクリーンルームライト　　　型式：ＮＰ−１　 ・パーティクルカウンター　　　　　　　　型式：ＫＣ−３１ ゴミ箱にワイパーを捨てる様子

【実験結果】

〜気流可視化〜 蓋を開ける際 蓋を開ける時は上方への気流、閉まる時は床に対して水平方向へのミストの拡散が確認された。 また、閉まるときの方がスピードが速いため、ミストがより遠くへ広がる様子が見られた。 ワイパーを入れる場合 ワイパーを入れると、ワイパーの周囲に上方への乱流が発生し、舞い上がり気流が確認された。 〜パーティクル測定〜 大きさに関係なく満遍なく計測された。

【考察】 クリーンルーム内の清掃には可燃性有機溶剤が使用されることが多く、安全性を考慮して金属性ゴミ箱を使用します。ワイパーにＩＰＡなどを浸して塵埃を除去し、ゴミ箱に捨てた後、有機溶剤が気化してワイパーに付着した塵埃が剥離しやすい状態となります。それが起因となり、蓋の開閉を行う際に塵埃が再浮遊（飛散）する可能性が生じます。対策としては、以下となります。 １）発塵していることをふまえること ２）飛散してもいい箇所に気流を考慮して配置すること ３）開け閉めの頻度を制限すること また、本試験ではごみ箱を空の状態で(有効高約４０�p)行ったため資料のような数値で収まっていると推測されます。そのため、ごみ箱にゴミの入っている量が多いと、より多くのごみが飛散することが想定されるため深めのごみ箱を用いて、半分程度にゴミが達した段階でゴミ袋を交換することも有効です。

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