| 【1】【CSC実験レポート】静電気防止スプレーの効果を実証! |
今回のメールマガジンは静電気に関する内容です。冬でもないのに静電気?と思われる方が多くいらっしゃるかと思いますが、工場内では摩擦が多く生じる場所や素材によっては帯電しやすい物があったりと季節を問わず静電気は発生しています。そこで今回の実験では、静電気防止スプレーを使用することで帯電を抑制し塵埃などの付着を軽減できるのかどうかを検証しましたのでご紹介させていただきます。
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【実験目的】
静電気防止スプレーを使用することで塵埃などの付着を軽減できるのか検証する
【実験内容】
室内の温度24.1℃、湿度51%の環境で台車の車輪部分に静電気防止スプレーを吹きつけて20分間乾燥させたものと何もしなかった物とで車輪に付着する異物の比較を行う。
【実験方法】
1) 台車を塩ビパネルの上で60秒間動かし帯電させる
2)終了後に車輪の帯電量を測定
3)事前に床に振り撒いておいた片栗粉の上を通過させる(約1m)
4) クリーンマットの上を通過させ目視で汚れ具合を確認
5)1~4の動作を【静電気防止スプレー有/無】で、それぞれ行う
※静電気防止スプレー有の台車は事前にスプレーを吹きつけ20分乾燥しています。
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【使用機器】
・台車(市販品)
・静電気測定器
(SIMCO製型式:FMX-002)
・静電気防止スプレー
(リクロンクリスタル:1756-8S)
・帯電防止タイプクリーンマット
(普通粘着)
・片栗粉(市販品)
・プラスチック段ボール
【実験条件】
温度:24.1℃/湿度:51%
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【実験結果】
結果は下記の通り |
▼静電気防止スプレー有:塩ビパネルの上で台車を動かしている様子
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▼静電気防止スプレー無:塩ビパネルの上で台車を動かしている様子
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▼台車通過後の帯電防止粘着マット
(静電気防止スプレー有)

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▼台車通過後の帯電防止粘着マット
(静電気防止スプレー無し)

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台車の車輪部分はゴム素材でしたが、静電気防止スプレーの有無に関わらず塩ビパネルの上を転がすことで少なからず帯電することを確認しました。同時に、静電気防止スプレーを吹きつけた場合でも完全に帯電を抑えることができないことも確認致しました。静電気防止スプレーを吹きつけた方の帯電量が若干上がりましたが、これはスプレーを吹き付けることによって表面抵抗値が小さくなり、電気が流れやすくなったにも関わらず床面の塩ビパネルから帯電した電気が逃げなかったことにより車輪部分に電気が留まったためではないかと推測されます。
【考察】
静電気防止スプレーを吹き付けることで静電気の発生が少しでも抑制できるのでは?と想定しましたが抑制することが難しいという結果になりました。今回の実験のように車輪部分が帯電防止仕様ではない一般的な台車を使用して、床が帯電しやすい素材の場合、帯電を完全に抑制するのは難しいと推測されます。静電気対策を行うには床を導電性にし、台車の車輪部分を帯電防止仕様に変更した上で静電気防止スプレーを使用することを推奨致します。
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【参考】
参考までに追加実験として、通函用にご利用が多いプラスチック段ボールを重ねることで静電気が発生するかを確認致しました。
確認方法は2つのプラスチック段ボールを準備し、1つのプラスチック段ボールを固定した上でもう1つのプラスチック段ボールを左右5往復させた時に、どの程度帯電するかを測定しました。
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▼プラスチック段ボールを左右に動かしている様子
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結果は、ほとんど帯電しませんでした。
今回の追加実験の結果では殆ど帯電しませんでしたが、台車に長時間載せて運搬する場合などは、振動が長く続くことでプラスチック段ボール同士の摩擦が生じ、帯電する可能性もあるのではないかと推測します。
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