粘着ローラー 100㎜幅・200㎜幅の比較検証実験 |
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粘着ローラー 100mm幅 vs 200mm幅
~サイズごとに、どんな使い方が適している?~
異物除去に欠かせないアイテムの1つである粘着ローラー。
シーズシーでも100~300mm幅まで様々なサイズがあります。
「いつもの100mm幅を今回も注文しよう」
「ウエアへのローラー掛けは、200mm幅かな」
と、いつもなんとな~くサイズ選びをしていませんか? |
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今回の実験では、人気の100mm幅と200mm幅を比較検証しサイズに応じた使い方を提案致します。
本実験結果を元に、さらに粘着ローラーを有効活用頂ければ幸いです。
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【実験目的】
粘着ローラーのサイズごとの使い方の検証・提案
【使用機器】
ウエアCJ1032(紺)
コットンリンタ(白)
小型PLクリーンルームUVライト PL-6U
粗大粒子カウンター RACCAR(ラッカー)
シリコンウエハ(RACCAR用サンプリング板)
ニトリル手袋GN09
粘着ローラーCSR-100W, 200W
ハンドルCSRH-80, 200S |

RACCAR

シリコンウエハ |


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ウエアのローラー掛け実験 |
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100 vs 200mm 幅!どっちがウエアに適してる?
100mm幅と200幅、結局どっちがウエアのローラー掛けに適してるの!?
【実験方法】
1) ウエアを上向きに置いて、上からコットンリンタをまんべんなくふりかける
(コットンリンタは0.1g、一定の高さから茶こしに入れてこしながら)
掛け方:首回り、右胸・左胸をローラーで1往復する
2) 部位ごとに捕集部分をUVライトで照射し、写真撮影する
【実験結果】
首まわり 脇下から首に向かってローラー掛け1往復 
胸まわり 上下にローラー掛け1往復

【考察】
首まわりにおいては、100mm幅の方が異物を捕集することが確認できた。
100mm幅は短い分、掛ける際に均等に力を入れやすく捕集力が高まると考えられる。
200mm幅は捕集面積は広いが、力が分散され押し付ける力が弱くなってしまう。
首まわりなど「捕集面積が狭い、かつ襟部分などローラー掛けしづらい箇所」においては、100mm幅の方が捕集効率が良いと考察する。
一方で胸まわりは、画像の通り200mm幅の方が全体的に捕集できている。
100mm幅は捕集面積が短い分、胸の半分程度しか捕集できていない。
「平らな形状で捕集しやすい箇所」では、200mm幅を使用した方が効率的に捕集できることが明らかとなった。
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手袋における除塵率実験 |
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サイズ別のスタンプテスト
ハンドクリーナーとして粘着ローラーはどの大きさが適しているのでしょうか??
1) 装着したニトリル手袋にコットンリンタをまんべんなく付ける(さじ1杯分)
2) 粘着ローラーの100mmと200mm幅で、各1回ハンドクリーンする
※100は右手→左手の順に捕集、200は両手で一度に捕集
3) シリコンウエハに手を押し付け異物を転写させ、RACCARで計測
【考察】
RACCARの測定結果から、どちらのサイズを使用した場合でも除去率の大差はみられなかった。
100mm幅は片手ずつ(右手接触後、左手に接触)するため、右手に比べ左手はローラーの汚染度合によって付着力が弱くなり、除去率が低下する可能性があることが明らかとなった。
しかし100mm幅(左)と200mm幅の捕集率の差はわずかで、粘着ローラーをハンドクリーナーとして使用する場合はどちらのサイズでも異物除去ができる。(参照:除去数比較グラフ)片手のみの場合は100mm幅、両手一度に除去したい場合は200mm幅を使い、時間短縮かつ効率的に捕集できるよう、使用方法によるサイズ選びが有効であると考える。
※今回は評価試験の為に1回の握りで評価いたしましたが、実際の使用時には複数回(5回程度)握る離す/握る離すを繰り返すことで手袋の付着は極めてゼロに近くになります。
【参考資料】
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