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静電気実験レポート

実験を通して 静電気対策を考える
静電気もクリーンルームのパーティクルも目には見えません。しかし、何も見えないまま対策をしても、効果があるのかどうか・・・それさえも分かりません。最近よく耳にする「見える化」というキーワード。目に見えれば、対策も具体的にできるし、よりよくする工夫もできます。そこで、このページでは目に見える実験を通してクリーンルームの静電気対策を考えてみたいと思います。
帯電列・まだら帯電
【実験の準備】
  • アクリル板・ポリエチレン袋・Jチェッカー(テフロン製) ※表面抵抗値の高い異なる素材であればOK
  • 表面電位計
【実験方法】

それぞれの素材を擦り合わせ静電気を起こして、表面電位計にて表面の帯電圧を測定する。
まず、アクリル板の保護紙をはがすとそれだけで静電気が発生します。
測定すると+8.2KVでした。
保護紙(内側に何らかのフィルムが貼ってあった)とアクリル板の関係でアクリル板が+に帯電したと考えられます。
アクリル板 VS ポリエチレン袋
次にポリエチレン袋(ホームセンターで買い物をして入手)でアクリル板を擦ってみました。アクリル板は前回同様、+に帯電しています。
このとき、ポリエチレンの袋は−5.4KVに帯電していました。
下の帯電列表で確認すると(+)アクリル板<ポリエチレン(−)なので、表の通り。
アクリル板 VS テフロンシート
次に素材の組合せを代え、アクリル板 VS Jチェッカー(テフロン)を擦ります。
この場合はアクリル板(+)、テフロン(−)に帯電しています。
テフロンは帯電列ではもっともマイナスよりに位置しており、静電気も発生しやすい物質です。この場合は−4.4KV帯電していました。
テフロンシート VS ポリエチレン袋
最後にJチェッカーをポリエチレン袋で擦ります。すると、もっともマイナスに帯電するテフロンはやはりマイナスに帯電しましたが・・
帯電列ではテフロンよりも+側に位置するポリエチレンは先ほどとは逆に、+側に1.04KV帯電していました。
【実験ムービー】 ※写真をクリックするとムービーが始まります。
そして、ポリエチレン袋を広げてみると全体は−側ですが、テフロンで擦ったところだけは+側に傾いていることが分かります。
つまり、同じワークの中に極性が違う帯電状態が混在しているのです。この状態をまだら帯電といいます。
【静電気対策のポイント】
帯電列は下表のようにまとめられ、離れているほど帯電しやすく、+〜−の順に帯電するといわれていますが、実際にやってみるとなかなか再現できません。総じて樹脂は−に帯電しやすく、帯電列で近いものでも強く帯電するようです。
また、対象物が絶縁物であれば、内部で電気は流れないので静電気はまだら模様に帯電してしまいます。そのとき、ひとつの対象物に+もーも同時にありうるのが特徴です。
アースの効果
【実験の準備】
  • アース線(ワニグチクリップ付き)、導電性マット
  • チャージプレートモニター(プレートの上に0〜5KVの正負の電気を発生させることができ、また、発生した静電気が減衰する時間(秒)を測定することができる装置)
静電気対策の方法のひとつとして表面抵抗値が導電性レベルのものを使用するという方法があります。導電性ゴムマットなどが代表的な製品となります。しかし、導電性製品もアースをしなければ、静電気を逃がすことはできません。
【実験ムービー】
チャージプレートモニターの数値に注意してください。プレートの上に導電性マットを置いただけでは何も帯電圧は変わりませんが、アースをつないだ途端に静電気が除去されています。
【静電気対策のポイント】 アースにつなぐことは静電気対策の基本中の基本ですが、アースが途切れていれば何の意味もありません。導電性マットもアースにつながなければただのマットです。
アースの効果


ポラリオン クリーンルーム ライト
【実験の準備】
  • ポラリオン クリーンルーム ライト
  • チャージプレートモニター
【実験方法】

チャージプレートモニター上を帯電させ、通過するゴミ・ホコリが静電気によって吸着する(または弾き飛ばされる)様子をポラリオン クリーンルーム ライトを使って観察します。
【実験ムービー】
帯電圧が1KVの場合はさほど変化はなく、ゴミ・ホコリは気流に沿って流れていきます。
【実験ムービー】
帯電圧が5KV以上になると気流に関係なく、プレートに飛び込む、あるいは飛び出すゴミ・ホコリが多く観察されるようになります。ビデオで撮影されているゴミの大きさはほとんど目に見える大きさのゴミです。さらに小さなクリーンルームで対象となるサイズのゴミはこれより低い電圧で同様の現象が起こると予想されます。
【静電気対策のポイント】 静電気でゴミがどのように付着するのか目視確認できれば、対策も取り易くなります。ポラリオンライトとの組合せで「見える化」が容易になります。
金属も帯電する
低反発クッションの中に入っている「ポリスチレン」球をたくさん容器にいれ、その中にドライバーの先端をゆっくり差し込んでみます。ドライバーは鉄製で、持ち手部分はプラスチックでできています。
ポリスチレンは直径1ミリ程度、クリーンルームで対象とするパーティクルと比べると1000倍以上大きいですが、実際のパーティクルは目に見えませんので。
ドライバーを引き上げてみます。すると、ポリスチレン球はほとんどそのままで、特に多く付着するする様子はありません。ドライバーは鉄製ですので、静電気は溜まりにくい性質です。
ここで、チャージプレートモニターという装置を使って、ドライバーに+1000Vの電圧を印加します。ドライバーの芯の部分は鉄製ですので、電気は逃げようとしますが、持ち手の部分はプラスチックで電気を通しませんので、印加された電圧はしばらくの間、そのまま静電気として存在します。つまり、電気の流れやすい金属でも静電気は溜まるのです。
もう一度、このドライバーをポリスチレン球の入った容器に差し込んで、引き上げます。すると、今度は差し込んだ部分にたくさんのポリスチレン球がくっついてきました。これが、ESAでワークにパーティクルが付着する状態です。
CS−JJをドライバーに近づけます。すると、静電気でくっついていたポリスチレン球はパラパラと自然に落下していきました。
【実験ムービー】
この実験のように金属であっても絶縁状態(持ち手の部分がプラスチック)であれば、他の帯電物から静電気を誘導されることで静電気を帯びることがわかります。現場ではいつどこから静電気が移ったのかわからないことが多く、対策が難しいとされる所以(ゆえん)です。
【静電気対策のポイント】 導電性・帯電防止のグッズを導入すればもう安心というわけには行きません。使用状況によっては金属でさえ帯電します。
【関連商品のページ】
クリーンルームのゴミが見える「ポラリオン クリーンルーム ライト」

通常は目に見えない微小なゴミを強力な光で浮かび上がらせます。今回のように静電気でゴミがどのように動くのかを確認するのにも効果的です。
クリーンエリアでの除電に「CS−JJ」

エアシャワーやFFUと組合せ使用するイオン発生器「CS−JJ」。イオナイザーよりもローコストですが、クリーンエアを利用して効果は抜群です。
静電気対策製品 各種

表面抵抗値を調整することで静電気対策する製品各種です。導電性マットや帯電防止クリアファイルなどを紹介しています。


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